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銭湯で出会えるレトロ風景

  • 執筆者の写真: 千裕
    千裕
  • 2018年10月5日
  • 読了時間: 4分

今でも、昔ながらの銭湯に行くと、普段はあまり見かけないレトロなグッズたちが現役で活躍しています。最近では、レトロなものがかわいいと言われたりもするので、ぜひ昔ながらの銭湯に行ってレトロを感じてみてください。

今回の記事では、銭湯におけるレトロ風景・グッズを紹介します。

のれん

のれんは、東京では短く5つに分かれており、関西では長く2つ〜3つに分かれているという特徴があります。

この違いは建物の構造から来ています。

東京の銭湯は、のれんをくぐると、広い玄関スペースがあるため、横幅の大きいのれんとなっています。また、東京では、のれんを片手でさっとはね上げるのが粋だ、と言われていたため、短くなってます。

関東は、のれんをくぐるとすぐに脱衣所になっていることが多いため、目隠しのために長くなっています。特に、京都では入り口から男女別れているので、横幅の小さいのれんになってます。


下足箱のカギ

木札のついた下足箱(出典:https://yudouraku.exblog.jp/)

終戦前までは木の下駄箱でしたが、その後カギがつけられるようになりました。下足箱のカギは、木札が入っていて抜くと閉まるというタイプのものが多く、木札には大きな文字で番号が書かれています。

下足箱のカギの代表的なメーカーは、松竹、チドリ、桜、鶴亀、カナリヤ、キングなどがあります。現代ではプラスチックの札や回すタイプの鍵が見られることも多くなりましたが、昔ながらの木の下足箱を採用している銭湯もまだあります。それぞれ、メーカー名やメーカーのシンボルが描いてあるので、注目して見て下さい。


脱衣かごとロッカー

盗難防止のためか、今ではほとんどの東京の銭湯で鍵付きの脱衣ロッカーがつけられていますが、かつては、脱衣かごが使われていました。脱衣かごは、関東は丸型、関西は角形が多いようです。

常連客が風呂グッズを置いておける月極ロッカーを置いているところもあります。


ベビーベッド

昔の銭湯では、女中さんがいて、お母さんが入浴中に赤ちゃんの面倒を見ていたことから、昔ながらの銭湯ではベビーベッドが置かれています。


扇風機

お風呂上がりに風に当たると気持ちいい、脱衣所の扇風機、銭湯では天井近くの壁についていることが多いです。昔は、天井から吊り下がる形で、2枚羽や3枚羽の扇風機もあったようです。


マッサージ器

昭和初期のマッサージ器

現代のマッサージ器と言えば、リクライニングチェアで足まで囲って揉んでくれるものですが、銭湯にはいかにも昭和という感じのレトロなマッサージ器を見ることができます。これは、肩たたきだけしてくれるもので、昭和30年代に誕生しました。今でも、一部の銭湯で設置してあり、1回あたり20円程度で使うことができます。


オカマドライヤー

オカマドライヤー

昔ながらの銭湯では、「オカマ」と呼ばれる椅子式のドライヤーが置いてあります。椅子に座ると頭の上にお釜のような囲いがあり、四方八方から風が出て来ます。両手が疲れず乾かせますが、髪の長い人が使うと少しボサッとなってしまいます。


ローカルドリンク

脱衣所や休憩室に置いてあるドリンクは、昭和30年代までは牛乳系がほぼでしたが、今では様々なドリンクを飲むことができます。各地方特有のラムネやサイダーなどを楽しむこともできます。


カラン

銭湯の中で体を洗うための蛇口のことを「カラン」と呼びます。昭和以前の銭湯では、体を洗うときは湯を組んでいましたが、昭和初期に押すとお湯が出るカランが誕生しました。カランとはオランダ語で鶴という意味で、長いくだが鶴の形に似ているためそのように呼ばれました。

それでは、「蛇口」という言葉はどこから来たのでしょう。

明治時代に上下水道が引かれたとき、各家庭に水道はおかれず、屋外に設置された共用栓を利用してました。ヨーロッパから輸入された共用栓には、ヨーロッパの水の守護神であるライオンのレリーフがついていました。


ヨーロッパから輸入された共用栓

これが国産のものになるとき、ライオンのレリーフが中国や日本の水の守護神である龍になり、各家庭内に設置されるようになって龍の口が小さくなったことから「蛇口」と呼ばれるようになりました。

また、共用栓の柱部分が蛇に似ていたため「蛇体鉄柱式共用栓」と呼んだことから来ているという説もあります。

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© 2018 by Chihiro Sento Igarashi

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東京銭湯研究家の銭湯千裕です。銭湯の魅力を伝えるべく、日々銭湯に通っています。

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