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移動式銭湯に水上銭湯。江戸の風呂ビジネスいろいろ

  • 執筆者の写真: 千裕
    千裕
  • 2018年9月30日
  • 読了時間: 2分

江戸時代は、銭湯の発展とともに人々は様々な形で風呂を楽しむようになりました。

今回は、様々なお風呂の形式とそれに紐付くビジネスを見ていきます。


江戸時代の様々なお風呂(出典:http://www.mizu.gr.jp/)

据風呂

据風呂は、一人用の風呂桶の下部に焚き口がついて、直接火を焚いて温める風呂です。

コンパクトでどこにでも据られることから、据風呂と名付けられました。

主に個人宅で普及しましたが、公衆浴場でも使われていたという記述があります。


鉄砲風呂

鉄砲風呂は、据風呂の改良型です。木桶の内側に、鉄砲の形をした金属製の煙突を立て、煙突の下部に鉄格子をおいてそこに木炭をのせました。これにより、強い火力を起こすことができ、湯が沸いたら煙突上部の口に瓦をのせることで火の調節ができます。


五右衛門風呂

鉄砲風呂と似てますが、関西では「五右衛門風呂」と呼ばれるものが普及しました。五右衛門風呂は、木桶の下に鋳物がとりつけられており、下から薪で炊きます。上部に円形のスノコが浮いていて、入浴時にはそれを足で踏んで押し込めて入ります。名前の由来は、盗賊石川五右衛門が釜茹での刑に処せられた時の鉄釜に似ていたからということです。


五右衛門釜茹での様子


長州風呂

鉄砲風呂や五右衛門風呂と同じですが、湯桶が鉄製のタイプのものを長州風呂と呼びました。


辻風呂・荷い水風呂

簡単に持ち運びができた据風呂を使って出前銭湯、移動式銭湯というビジネスが誕生しました。

「辻」は、該当という意味で、風呂桶を街頭において湯を沸かし、道行く人に入浴をさせたのが辻風呂です。

また、風呂桶を担いで、人通りの多いところで営業し、木陰などで入浴をさせた移動式銭湯が「荷い水風呂」です。


湯舟

当時、水上で風呂に入らせる「湯舟(居風呂舟、徳風呂)」も登場しました。

小舟に据風呂を載せ、希望客を入浴させながら港湾を一周するビジネスも流行ったようです。

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© 2018 by Chihiro Sento Igarashi

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東京銭湯研究家の銭湯千裕です。銭湯の魅力を伝えるべく、日々銭湯に通っています。

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